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【スタッフつぶやき】あの人を思い出す
- 2025-08-14 (木)
- つぶやき
「残された僕たちにできることは、先に行ってしまった親しい人を記憶し続けることだけ」
以前読んだ本の中にあった一文で、手帳に記し、今でも思い出す言葉
K様のお掃除に伺った
以前はご主人であるT様と入居されていた
ご一緒のときには尋ねにくかった、出会われたきっかけなどを奥様のM様に伺った
「勤めていた職場にT君が異動してきて、私が飲みに行くって同僚や友だちの話をしていたら”いいな〜”って言ってくるから”じゃあ、おいでよ”って声を掛けてあげたの」
T様がそんなかわいらしい言い方で言えば、女性はM様のように”じゃあ”って言ってしまうだろうな、M様は面倒見よく何気なく言われたんだろうな、色いろ想像して二人で盛り上がって掃除が終わった
お掃除終わりにM様がT様が送られたメールを読ませてくれた
「のろけてはるわぁ」
笑いながら、二人で涙する
きっとM様も近くにおられ、きっと照れ笑いされているはず
I様の入浴のお手伝いに伺った
I様は大のおしゃべり好き
私もI様とのおしゃべりが大好きで、I様のサービスに伺うと時間ギリギリまでおしゃべりに大輪の花が咲いてしまう
I様は大阪・河内長野生まれA様と大の仲良し
I様はA様より歳下で、A様をモナトリエにご入居されて出会われた友人として、何より尊敬できる女性としてみられていた
「Aさんはあのお歳でいつもシャンとされていて、気品もあるけどシャレも分かる方で、何より人としての器が私とは全然違った。私はAさんと親しくさせていただけたことが、とても誇らしいのよ」
I様とA様はとても気が合った、それは私たち職員の目から見てもよく分かった
特にI様はA様を女学生が憧れの上級生を見るような気持ちで見ておられた
私もA様との思い出を話す
ある日、私が今日と同じA様のお部屋の前にあるお風呂掃除をしていたら、A様がお部屋の扉を開けられて
「あなた、お掃除が終わったらお部屋に寄ってちょうだい」
と言われた
なんだろう?と思いつつ、言われた通りA様のお部屋に伺うと
「これが懐かしいやろと思って、食べて」
それは、I様がご家族と神戸を旅行されたとき、A様にお土産に買って来られた”炭酸せんべい”
関西人なら誰も知る”炭酸せんべい”、懐かしの味
あの日も暑くて、口の中がパサパサになりながら、A様と一緒に食べた懐かしい味
I様が思い出される
「そうそう、Aさんにお土産に買って帰ったわ、あなたも食べてくれたのね」
また二人であの頃を思い出す
お風呂を出て、そのお部屋を眺める
I様と何も言わずお互い肩に手をやり、笑い合う
語り合える人たちがいて、語りたい人たちがいる
忘れられない、記憶し続ける思い出に溢れている
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