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つぶやき

【スタッフつぶやき】続雨の日・はもん

/////もしもこの記事から読まれる方は、一本前2025年6月12日【スタッフつぶやき】雨の日を読んでいただくとより分かりやすくなります/////

エレベーターで「誰が破門されたの?」と謎を残し去って行かれたA様
そんなA様のモーニングケアに伺った

A様は朝が苦手
A様同様朝が苦手は私は”もしも自分が介護される側”ならと考えると、一番は起こされたくないとしても、2番目は起きるにしても自分のペースで起きる準備をさせてほしい、3番目はあまりうるさくしないで欲しい
お手伝いも立ち座りなど介助は最低限に、そしておしゃべりも最低限に
それでも、この日はA様に話さずにはいられないかった”ハモン”問題

昨日の”ハモン”ですが、あれは”破門”で誰かが追放された訳じゃなくて、雨の日を話題に出てきた”波紋”の方です
それを伝えると
「話題から破門されたのは、私の方か」
いつものA様らしい返しがくる
キレイな日本語について話し、日本語の表現が面白いという話しになる
ある程度のお手伝いが終わり、更衣ができた頃に再度伺いますね、と退室しようとすると
「次はどんな面白い日本語が出てくるか、待ってます」
これまたA様らしく私に次の課題を出される

別のご利用者様の起床のお手伝いを終え、再度A様のところに伺う

着替えを終えられ、朝食に行く準備も整えられている
私「では3階までご一緒します」
A様「お願いします」
お稽古でもはじまるかの如く、ある種の緊張感が私たち二人の間に流れる
鍵を閉め、エレベーターに伺う

私「先ほどの件、美しいではないですが、こっち(九州地方)では元気のある人、しっかりしている人をシャンシャンしてるって言いますよね?私、しょっちゅう色々な人に言われるんです、あなたシャンシャンしてるって」
A様「そうね、あなたはシャンシャンされている、よく言われるでしょうね」
私「私、いつも思っているんです『私、パンダみたいだな』って」

茶道や華道の先生がお稽古中に見せる凛とした表情だったA様が大笑いされる
「お見事」

エレベーターを待っていると、A様とはちょうど反対にお部屋があるH様が廊下を歩いておられる
A様とエレベーターに乗り込み”シャンシャン話し”でまた笑いながらH様を待つ
そして、乗り込まれたH様に”シャンシャン話し”を3階に着くまでの1分も満たない時間で話、豪快な笑いを朝からいただく

波紋から破門のシャンシャン
次H様のサービスに伺ったらきっとまた繋がっていく話題

やはり波紋は好きな言葉で、好きなイメージであり続ける



【スタッフつぶやき】雨の日

it's raining.
今日は雨
英語で表現するとすれば、私の脳みそでは雨の状態を表現する程度しか思い浮かばない
しかし、日本語では雨の表現は多種多彩
緑雨
甘雨
黒雨
オノマトペで表現するばさらに幅は広がる
シトシト
ザーザー
ポツポツ

梅雨に入った今日この頃

エレベーターに乗り込むとディサービスから戻られるK様とスタッフが何か話している
K様「雨の日は切なくなるわね」
K様らしい詩的な表現に聞き耳を立てたようで不躾ながら
私「素敵な表現ですね!」
会話に割り込んでしまった
私「雨の日の表現で”切ない”は私には思い浮かびませんでした!でも、わかる気がします」
K様「あなたは雨の日を表現するならどんな言葉が思い浮かぶの?」
私「表現ではありませんが、雨の日で思い浮かび好きなイメージは”ハモン”ですね」
K様「”ハモン”ね、それも素敵な表現よね」
ディサービスの職員さんも含んで日本語の表現、多様性の美しさを話す
K様「ところで”ハモン”ってどう書いたかしら?」
と話していたところに、A様が別のディスタッフと一緒にエレベーターに乗り込んで来られた
私「”波”に”糸編に文”ですね」
とK様との話の続きをしていると、早々にA様の降りられる階に
A様が降りられる瞬間に
A様「”破門”?どなたが破門されたの??」
A様にその”破門”ではなく”波紋”です、、、、、、、、と聞こえたか聞こえないかの間に無情にも閉まるエレベーター

本当に日本語は語彙に溢れている

エレベーターに乗ってから降りるまで約1分
1分で感じる日本語の奥深さ、この短い間に起きた出来事に、ウカウカしてたらこんなに面白い瞬間を逃してしまう!と梅雨の疲れが吹き飛ぶ

A様にはあらためて”ハモン”を説明し、A様とも日本語のおもしろさでひと笑いしました
波紋は広がっていくので



【スタッフつぶやき】時代と単位

物の長さの単位というのは世界中に溢れている
ゴルフの世界では今でもヤードを使い、家建物は今でも何坪という表現も使う
cm、kgという単位が世間一般に使われるようになったのは、1959年結構最近のことだということを戦後生まれの私たちは意外と知らない

A様はファッショニスタ
どのお洋服も煌びやかに光るか、刺繍が施されているか、綺麗に発色している
柄物のシャツに、煌びやかなジャケットやカーディガンを合わせられても、なぜかA様が着られると”しっくり”とくる
逆にA様が少し落ち着いた色のお洋服でコーディネートされていると、ついつい”どうされました?調子でも悪いですか?”と聞いてしまう
A様はお洋服の勢い同様、とてもお元気でパワーに満ち溢れている
それは夜、就寝前までパワーに満ち満ちておられる

A様の就寝のお手伝いに伺った
A様にお洋服好きはお若い頃からですか?と伺うと
「叔父が洋装店をしていたし、洋服は子供の頃からこだわりを持ってたわね」
と”やっぱり”という納得の答えをされる
A様は90代後半、年代からすると洋服と着物が混在する世代だから、着物も着られました?と伺うと
「私は着物は面倒だから、洋服ばっかりだったわ」
と威勢よく答えていただく
洋服だとA様は小柄だし、ハイヒールを探すのが大変だったんじゃないですか?と続けると
「私の足は”キュウモン”だから探すのが大変だったのよ」
”キュウモン”??
突然飛び出した謎のワードに私の頭の変換が追いつかない
追いつかないので発音もおかしく、A様に聞き返してしまった
”キュウ・モン”ってなんですか?
「違うわよ、キュウモンよ、九モン、足の大きさ」
3度目言われ気がついた
「ジャイアント馬場の16文キックの16文、A様は9文ってことですね!!」

20代の若者でもA様のワードローブを見ると素敵と思うはずの感性を持つA様が、ひと昔前の単位を口にされるギャップに大笑いしてしまった

私の身長は4尺7分です、と言うと
「何センチ?」と聞き返されるA様がまた面白い

今度は二人で大笑いして、楽しく1日が終わりました



【スタッフつぶやき】気の合う仲

”気が合う”と言うのは、同じようなことに興味があったり、話ていて楽しかったり、一緒にいて気楽だったり、年齢に関係なく仲良くなれる間柄

私がモナトリエで働くきっかけとなった友人もそう
年齢は違うけれど、気が合い、縁が繋がり今に至る

明後日お誕生日のM様も気の合う仲
M様の入浴のサービスに入ったとき、弟さんが勤められていた病院がなんと私が生まれた病院に勤務されていたという事実が分かり、それが縁で仲良くさせていただいている

M様は普段はとても静かな方で、いわゆる”学者さん”である
お部屋に伺うと観られているテレビは”放送大学”
面白いですか?と伺うと、
「僕は頭が良くないから、少しでも勉強しようと思って観ています」
と照れ笑いしながら放送している物理統計学を説明してくれる
ある日は日本人で初めてノーベル化学賞を獲られた福井謙一博士の本を読まれている
これまた、面白いですか?と伺うと、福井博士がどのような研究でノーベル化学賞を獲ったのか、私でもわかるような言葉で説明していただく
「福井博士だからなしえた研究、化学に新しい視点を与えた功績がノーベル賞なんです」
と熱く教えていただける
ご自分の好きなこと、好きな分野、好きな人物について、とても楽しそうに話されるM様

M様のお部屋から旦過市場の再開発工事が一望できる
昨夏、家屋建物が取り壊された後、しばらく遺跡発掘調査が行われいた
私は多少歴史が好きで、細川忠興が造った”小倉藩”について調べたことがある
M様のお部屋掃除の際に、あの石垣は細川忠興時代に築かれた外堀の一部だと思いますと話し、それから小倉藩の普請、歴史をM様にお話しした
翌週、お掃除に伺うとM様が何かチラシのようなものを見せてくれる
「これはどこですか?」
チラシを見せていただくと、北九州市が埋蔵物について発掘調査報告としてまとめた資料
これは今回ではなく前回去年に行われた調査で、もう埋め戻されています。あそこですね、と説明すると
「よくご存知ですね」
とニコニコされている
私も嬉しくなって、小倉城築城について話が弾んでしまう
別の日は小倉駅で開催されている古本市のお話をし、次のときにお互い買った古本の話で盛り上がる
別の日は大阪万博のおすすめパビリオンを話し、各国の万博について語り合う

M様は私にとてもたくさんのことをお話ししてくれる
それはM様の人生観だったり、ご家族の思い出だったり、ルーツだったり
M様に代わって伝記を私が書けるんじゃないかと思うほど、本当にいろいろお話ししていただける
M様のお友だちのお話もよく伺う
けれど、M様のお友だちもう亡くなられた方が多く、ときどき寂しそうな顔をされる
ある日、M様に
「私はヘルパーですが、M様のお友だちの一人に加えてください」
と伝えたことがある
いつものM様の照れ笑いをされながら
「ありがとうございます」
と言っていただいた

M様とお孫さんは同じお誕生日だそう
いつの日かお孫さんにおじいちゃんから聞いたお話をしてみたい
とりあえず、M様、まだまだお元気で、まだまだお話をたくさん聞かせて下さい
お誕生日、おめでとうございます



【スタッフつぶやき】ロシア語

英語を操られるN様の起床のお手伝い
N様はなかなかの外反母趾で、職員間の連絡に外反母趾用サポーターをしてもらうようあった
サポーターをしながら、やっぱりお若い頃のハイヒールですか、と伺うと
「そう、周囲は身長も高くてスタイルもいい外国の方々に囲まれていたから、おチビな私でも少しでもスッキリ見えてるよう8センチのヒールを履いていたから」
と話される
N様はお若い頃アメリカの企業にお勤めされていたし、女性はやっぱりハイヒールの時代だっただだろうし

短期間ながら私も英国に留学した経験があり、大柄の外国人の中に150センチちょっとの私はいつでも子どものようだったことを思い出す
N様に、私は白人の金髪や青い眼に憧れましたが、黒人の顔の小ささや手足の長さには、スタイルが良くなりたいとかの域を超えた諦觀の境地でした、と話す
「わかります、わかります、私の足の長さがあの人たちの腕の長さですもん」
と盛り上がる

話は続き
白人の方でも様々な地域の血が混ざったような東欧の人には、本当に女神のようにキレイな方がいますよね、私の姉が青年海外協力隊員でルーマニアに行っていたのでルーマニア人が実家に遊びに来たことがあるんですが、あまりのキレイさに祖母が拝んでました、と話す
「先日テレビで大阪万博をやってて、ルーマニアの踊りを見ましたよ」
とN様も話を続けていただく
ルーマニア語を話せる人が日本には少ないので、うちの姉も何かと日本で催されるルーマニアのイベントに携わっているので、その場にいたかもしれません、と言うと
やはり、他言語を操られる方の視点らしく
「ルーマニア語はロシア圏だろうから、やっぱりロシア語系?」
と聞かれた
正直、私はルーマニア語は全く不勉強なので、一言も分からないんです
とN様に言うと、N様もロシア語を考えられているご様子
私も考えてみるけど、ロシア語の”こんにちは”も”ありがとう”も出てこない
N様をベットに案内し、靴を片付けて退室する準備をしながら、ロシア語を考えるけれど、やっと出てきた私のロシア語は
”ボルシチ”
N様も笑って、それならばと
「ピロシキも」

美味しいものは万国共通言語
笑いに包まれて1日が始まりました



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