住宅型有料老人ホーム「モナトリエ」スタッフBlog > つぶやき

つぶやき

【スタッフつぶやき】噛み合っているようなないような話

K様は真面目で真剣だからこそ面白い方

以前、K様が脚に怪我をされ縫合した部分が安定し、足を保護しながらシャワー浴ならば可能と看護からOKが出たので
「シャワーなら入れるそうなので」
とお声かけすると
「お風呂は”入る”けど、シャワーも入れるの?”浴びる”じゃなくて?」
と私の目を見つめ、真剣に心配される
「私の日本語を心配されてるんですよね?」
と伺うと
「(私は)心配性なのよ」
表情を変えず答えられるK様
慌てる私
「シャワーを浴びましょう」

別のある日、K様が歯医者さんの通院で外出されていた
その日は朝から雲行きが怪しく、雨が降りそうで、まだ降ってはいないようお天気
K様がお部屋に戻られるエレベーターで他のスタッフも含めご一緒になった

私「外は”晴れ”ていました?」
K様「ううん、外は”腫れて”ないのよ。今日は歯石を取ってもらっただけ」
スタッフ「?」
私「誰も間違っていない会話ですね」

落語ってこういうとこから生まれるんだろうなと思える、K様との会話の数々です



【スタッフつぶやき】波紋のように広がる輪

先日ブログでお隣さん同士の交流を書いたら、それを読んだ職員が教えてくれた

A様は最近、N様とお話しされるのが一番お好きらしい

A様はモナトリエ屈指の手仕事上手さん
お裁縫や編み物はもちろん、お若い頃には木工もされて今も使われているマガジンラックもブローチも聞かなかったら買ったものと疑わないレベル
どこかの雑誌に”丁寧な生活”のようなタイトルで特集されていそうな、自分で作った、手を加えたものを身近に取り入れられた生活をごく自然にされている
ちょっとエスプリの効いた言葉選びのおしゃべりも好き

N様はご自分でできることはできる限りしていきたい!という独立心に溢れた方
おしゃべりのテンポがのんびりとしているようで、内容は少し自虐を含めた独特の視点の言葉選びが秀逸
N様のリズムでお話をしていると流れるプールに流されているようで心地いい

N様の入浴介助がご一緒になったのでA様のことを伺ってみる
「そうなのよ、ディサービスでAさんとお話しする時間が今一番楽しいの」
満面の笑みで答えられる

同じくブログを読んで、職員が教えてくれる

食事がお隣同士のH様とM様
H様はM様のお食事が配膳されるまで食べられるのを待っておられる

H様は歯医者さん、歯医者さんでも町の歯医者さんではなく特殊な口腔外科を専門とされていた先生
人が集まる食事の場などでは必ずジャケットを着られる紳士で、マスクにもワンポイントのおしゃれを欠かされない
車がお好きで、私の僅かな車の知識でも「よく知っている!」と褒めてくれ、さらなる知識を授けてくれる

M様は大正生まれのチャキチャキ博多っ子
戦後自分が家族を養わないと!!と一念発起され、人を雇うほどの洋装店を築かれた女傑
「お客さんにサラリーマンはおらんとよ!みんな不動産や名士のお金持ち!!でも、お金持ちとの付き合いは大変だから小倉に逃げて来た」
と笑いながら話されるお話が一番好き

お食事のとき仲良く話しておられるのは知っていたけど、職員の話を聞いて気にしてみると、確かにH様は自分に先に配膳されているとM様の配膳を待たれている
素敵だ

他にもK様が数週間ぶりに食堂で食事されているとき、A様が自分の食事は終わっていても、K様の食事が終われれるまで待っておられたり、広告で作るゴミ箱を何度も分解し試行錯誤されていたH様がご自分で作れるようになるまで、I様が毎回「上手くなってきた」と励まされていたり

一つの気づきを言葉にしたことで、波紋のように新しい輪に気付かされる
人の優しさに触れると自分も癒され、心が満たされます





【スタッフつぶやき】家族のような存在

私はご縁があり遠方より北九州へやって来た
100万人近い人が暮らす地で、私を見て、私が誰だか分かる人が家族以外いない、親戚も知人もいない、旅行に出かけてもお土産を買う相手もいない日々を過ごしたことがある

学生時代も親元から離れた学校を選んだけれど、周囲の友だちたちも同じ境遇で、何より初めて味わう自由に夢中で、「知らない土地」の存在に気が付かなかった

先週、私事で1週間のお休みを取った
1週間後、朝職場に出勤するとあるご利用者様から
「元気な声が聞こえてよかった」
と声を掛けていただき、また別のご利用者様からは
「身体は大丈夫?」
とご心配いただいたり、また違うご利用者様からは
「お土産は?」
と催促され
「元気な姿がお土産です!!」
と答えると、
「それではお腹は満たされへんな」
と漫才になり、周囲の人たちも交えて笑いに包まれたり

お土産を渡す同僚がいて、私のお土産話を聞いてくれるご利用者様たちがいる
「ただいま」と言うと「おかえり」と言ってくれる人々がいる
私が働いている職場は、私の家族のような存在になっている



【スタッフつぶやき】お隣さん

私はど田舎育ちなので、隣近所は家族の延長の人々であり、町内の多く人々も顔見知りであった
北九州へ引っ越しアパート暮らしをしている今、お隣さんの顔は知っていて、階段や駐車場で会えば挨拶はするけれど、それ以上でもそれ以下でもない
それがいい、悪いでもない

H様のお部屋にお掃除に伺った
H様は隅々まで掃除ができるように、私たちヘルパーが伺う前にご自身で動かせる物を廊下に出しされ、掃除機やモップを掛けている間は廊下で待っておられる
いつもの通り、シーツ交換をH様にお手伝いいただき「終わるまで外にいますね」と仰り廊下に出られた

モップをかけていると、H様のお隣N様のお部屋から声が聞こえる
H様と同じ時間に同様にお掃除に職員が伺っていて、N様に
「シーツ交換が終わっているので、お部屋にいていただいても大丈夫ですよ」
続いてN様が
「いいの、いいの、外で待つから」
「廊下は暑いし、お部屋の方が良くありませんか」
と職員が続けても、N様は
「いいのよ」

H様のお部屋で掃除を続けていたら

「あそこは何ができるんだろう」
「大きな重機が入ってきたね」
「あの古い家は誰か住んでるのかな?」
廊下の方に目をやると、H様とN様が窓から旦過の再開発を眺めながら、おしゃべりされている

ああ、さっきの言葉はこういうことだったんだ

H様のお部屋掃除が終わり、市立大学の一部も入るような施設ができるらしいですよ、とお二人の仲間に少しだけ加えていただた後、H様がN様と私に小さく手を振りながらお部屋に戻られた
その後すぐ、N様もお掃除が終わりお部屋に戻られた

素敵なお隣さん付き合い



【スタッフつぶやき】自然は偉大な女性なり

Mr.トルネードと呼ばれた気象学者、藤田哲也博士をご存知だろうか?
北九州市出身でアメリカに渡り、飛行機をも落としてしまう強烈な下降気流、ダウンバーストを発見し、竜巻の大きさを測る基準"F"スケールは藤田博士のFを元に名付けられている

M様はこの藤田博士が北九州工業大学の講師時代、小倉中学校の臨時講師として来ていた藤田博士の言葉、実験に薫陶を受け、その後の進路に多大な影響を受けられた

先日の台風
M様の入浴介助をした
台風の話をしていたら、M様が
「日本も台風何号なんて味も素っ気もない名前じゃなく、アメリカの台風(ハリケーン)のように女性の名前にすればいいのに」
と仰った
「世界的には自然に対して女性名詞(She)を使うことが多いですよね、女性が強いからですかね」
と私が続けると、M様が
「女性は強いですよ」
と呟かれた

M様は普段とても寡黙な方である
私もM様とお喋りするのもお部屋のお掃除やお風呂のときくらい
博学で様々なことに興味を持ち、好奇心を失われないM様とのお喋りは多岐に渡れど、聞いたことがなかった質問をしてみる

「もしかして、M様の奥様は台風のような女性でしたか?」

湯船に浸かりお湯をかき混ぜながらM様が「君、それを聞くんだね」と言うような、笑みを携えながらもう一度呟かれる
「女性は強いですから」

そこから先のお話は私とM様と二人だけの秘密とさせていただきます
あしからず




More...

住宅型有料老人ホーム「モナトリエ」スタッフBlog > つぶやき

タグクラウド
検索
購読
ナビゲーション

ページの先頭へ戻る▲