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つぶやき

【スタッフつぶやき】家族のような存在

私はご縁があり遠方より北九州へやって来た
100万人近い人が暮らす地で、私を見て、私が誰だか分かる人が家族以外いない、親戚も知人もいない、旅行に出かけてもお土産を買う相手もいない日々を過ごしたことがある

学生時代も親元から離れた学校を選んだけれど、周囲の友だちたちも同じ境遇で、何より初めて味わう自由に夢中で、「知らない土地」の存在に気が付かなかった

先週、私事で1週間のお休みを取った
1週間後、朝職場に出勤するとあるご利用者様から
「元気な声が聞こえてよかった」
と声を掛けていただき、また別のご利用者様からは
「身体は大丈夫?」
とご心配いただいたり、また違うご利用者様からは
「お土産は?」
と催促され
「元気な姿がお土産です!!」
と答えると、
「それではお腹は満たされへんな」
と漫才になり、周囲の人たちも交えて笑いに包まれたり

お土産を渡す同僚がいて、私のお土産話を聞いてくれるご利用者様たちがいる
「ただいま」と言うと「おかえり」と言ってくれる人々がいる
私が働いている職場は、私の家族のような存在になっている



【スタッフつぶやき】お隣さん

私はど田舎育ちなので、隣近所は家族の延長の人々であり、町内の多く人々も顔見知りであった
北九州へ引っ越しアパート暮らしをしている今、お隣さんの顔は知っていて、階段や駐車場で会えば挨拶はするけれど、それ以上でもそれ以下でもない
それがいい、悪いでもない

H様のお部屋にお掃除に伺った
H様は隅々まで掃除ができるように、私たちヘルパーが伺う前にご自身で動かせる物を廊下に出しされ、掃除機やモップを掛けている間は廊下で待っておられる
いつもの通り、シーツ交換をH様にお手伝いいただき「終わるまで外にいますね」と仰り廊下に出られた

モップをかけていると、H様のお隣N様のお部屋から声が聞こえる
H様と同じ時間に同様にお掃除に職員が伺っていて、N様に
「シーツ交換が終わっているので、お部屋にいていただいても大丈夫ですよ」
続いてN様が
「いいの、いいの、外で待つから」
「廊下は暑いし、お部屋の方が良くありませんか」
と職員が続けても、N様は
「いいのよ」

H様のお部屋で掃除を続けていたら

「あそこは何ができるんだろう」
「大きな重機が入ってきたね」
「あの古い家は誰か住んでるのかな?」
廊下の方に目をやると、H様とN様が窓から旦過の再開発を眺めながら、おしゃべりされている

ああ、さっきの言葉はこういうことだったんだ

H様のお部屋掃除が終わり、市立大学の一部も入るような施設ができるらしいですよ、とお二人の仲間に少しだけ加えていただた後、H様がN様と私に小さく手を振りながらお部屋に戻られた
その後すぐ、N様もお掃除が終わりお部屋に戻られた

素敵なお隣さん付き合い



【スタッフつぶやき】自然は偉大な女性なり

Mr.トルネードと呼ばれた気象学者、藤田哲也博士をご存知だろうか?
北九州市出身でアメリカに渡り、飛行機をも落としてしまう強烈な下降気流、ダウンバーストを発見し、竜巻の大きさを測る基準"F"スケールは藤田博士のFを元に名付けられている

M様はこの藤田博士が北九州工業大学の講師時代、小倉中学校の臨時講師として来ていた藤田博士の言葉、実験に薫陶を受け、その後の進路に多大な影響を受けられた

先日の台風
M様の入浴介助をした
台風の話をしていたら、M様が
「日本も台風何号なんて味も素っ気もない名前じゃなく、アメリカの台風(ハリケーン)のように女性の名前にすればいいのに」
と仰った
「世界的には自然に対して女性名詞(She)を使うことが多いですよね、女性が強いからですかね」
と私が続けると、M様が
「女性は強いですよ」
と呟かれた

M様は普段とても寡黙な方である
私もM様とお喋りするのもお部屋のお掃除やお風呂のときくらい
博学で様々なことに興味を持ち、好奇心を失われないM様とのお喋りは多岐に渡れど、聞いたことがなかった質問をしてみる

「もしかして、M様の奥様は台風のような女性でしたか?」

湯船に浸かりお湯をかき混ぜながらM様が「君、それを聞くんだね」と言うような、笑みを携えながらもう一度呟かれる
「女性は強いですから」

そこから先のお話は私とM様と二人だけの秘密とさせていただきます
あしからず




【スタッフつぶやき】協力し合って強力になる

介護施設で働くということは、ご利用者様の生活を根本的に支えることに直結している

一般的な会社であれば、不要不急の外出も控えなければいけないような台風であっても、私たち介護職員は自分たちの安全も確保しつつ、どうにかして出勤できる方法を考える

公共交通機関が止まれば歩いて帰れるように準備する人もいれば、タクシーを使う人、遠方の人は施設近くのホテルに泊まる人もいる

車で通勤している人は帰る、来る交通手段のない人を通り道だからと、声を掛け合う
ある職員は通常9時出勤でも交通手段がなく、近くに住む職員の7時早出出勤の車に同乗してでも出勤を調整したり
声をかけ合いながら、支え合いながら

働く職員一人ひとりが、自分のできること、できる方法で考え、協力し合う
協力し、強力になる

それはご利用者様のため、その一つの目的のために

「何事もなかった」「台風なんて分からなかった」
ご利用者様に普段通りを過ごしていただく、それが私たちの仕事です





【スタッフつぶやき】台風はタライに乗って

台風は特に大きな影響もなく、無事通り過ぎた
ひと安心

台風の前々日、まだ台風が奄美大島にいる頃に、冗談がお好きなN様の入浴介助があった

N様はお若い頃は美容師、それも日本髪を得意とされる美容師さんで花嫁さんから八幡のキレイ処の日本髪から着付までこなされていた、プロ
日本髪の「元結」をキレイに結う秘訣は奥歯でしっかり噛み、力を入れることだそう
だから、奥歯が一番弱くなり、今はインプラントを入れられている
インプラントはチタン製というお話をしていて
「じゃあ、空港の保安検査では金属として反応するんですかね?」
と言うと
「あなた、そんな発想、よく出てくるわね?!」
と呆れた顔を少しされながら
「北九州空港に行って試してみなきゃ」
っと冗談に乗っかってくれる

さて、話は戻り台風前
N様が血圧を測りながら台風の話をしていると心配そうに話される
「(台風の風で)揺れるかしら」
8月の上旬の宮崎県の地震ではN様のお部屋は揺れたので、揺れに敏感になられているそう
建物が頑丈だから、風では揺れないんじゃないですか、とその日は話して終わった

台風が九州をノロノロと横断した朝
N様と朝食後のエレベーターがご一緒になったので伺ってみる
「揺れましたか?」
「何が?」と言われるので、風でお部屋が揺れなかったか伺うと、そんなことも忘れておられた
よかった、よかったと笑っているとN様が
「あなた、今朝は何で出勤したの?」
「モノレールが止まっていたので、車です」
と答えると
「(あなたなら)タライで来たのかと思った」
「一寸法師のように小さければタライもありですが、浮かぶ前に沈みますので」

二人で大笑いして北九州から台風が離れていきました



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