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【スタッフつぶやき】好敵手
- 2025-07-18 (金)
- つぶやき
N様はいつもご自分のことを卑下して私を試してこられる
それは大概なんでもない会話に挟んでこられるので、N様のお人柄を掴めていない入社当初はN様のそんな発言に笑ってかわせばいいのか、正面から「そんなことはない!」とぶつかればいいのか分かりかねて、去年の夏は必殺愛想笑からの話題を変えるで乗り切っていた
季節が巡り、戻ってきた夏
N様の入浴のお手伝いをした
ほぼ梅雨がないと言っていいほどの今夏、今日は珍しく雨らしい雨が降っている
”お風呂のお声掛けに来ました”とN様のお部屋に入ると、電気も点けず、窓の逆光を背に薄暗い中、椅子に座り佇んでおられるN様
”ヒャっ”っと一瞬声が出そうになりながら、怖さの反動におかしくなって笑ってしまった
”昔話の鬼婆のような光景になってますよ!これで包丁でも研いでたら完璧!”と伝えると
「あなた、私の本性を言い当てたわね、私は鬼婆なのよ」
”やっぱりそうでしたか”
二人で大笑いする
「新聞を読むときは電気を点けるけど、それ以外は別にぼーっとするくらいだから暗い方が落ち着くのよ」
”明るいと目が疲れますよね”など話していると
「私は貧乏だから電気代をケチっているの、ほら、お風呂に行くんだからそこの電気も消してちょうだい」
はい、はい、とまたも笑って部屋を出る
”鍵は私が施錠して、お風呂終わりも一緒に帰って開けます”
「はい、はい、お願いします」
”だから、私と喧嘩したらN様はお風呂の後、部屋に帰られませんからね”
「あなた、本当に頭がいいわね、私の頭は大きいだけで空っぽ」
”空っぽなら、私への褒め言葉も出てこないはずでは?”
「賢いのも大変ね」
終始掛け合い漫才を繰り広げる私たち
入浴中も身体を洗われるをお手伝いすると
「あなたの手が汚れるわよ」
”あれだけ石鹸で洗った後なのに、私の手が汚れるとはどれだけN様は汚れているんですか?”
二人でケラケラ笑い合う
「私が言っているのは”汚れた手で私に触らないで!”かもしれないわよ」
”そのときは何度でも洗えばええ、だってここはお風呂場なんやもん”
「あなたプロね」
二人で爆笑する
お風呂も終わり、N様とお部屋に戻る
”今日も喧嘩せずにお部屋に戻れましたね、鍵開けます”
「わからないわよ、扉を閉める寸前まで」
ニコニコされているN様
少しお手伝いをした後に”今日はありがとうざいました”とご挨拶する
扉を閉める寸前にN様が
「あなたのこと大好きよ、またお願いします」
閉める寸前まで本当にわからない
N様、私、二人お互い心から笑い合える時間になることが心から嬉しい
仕事であって仕事でなくなる時間
働き続けられる理由がここにある

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