住宅型有料老人ホーム「モナトリエ」スタッフBlog

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【スタッフつぶやき】方言

方言はその地に暮らしている限り気づかないもので、他言語のようにも聞こえる

忘れもしない方言
私が九州に来て、初めて働いた介護施設にておトイレをお手伝いしていたとき呟かれた
「しかぶとらん?」
何と言われたのかも全く理解も想像もできず、聞いてみるけれど教えてくれない
何度も聞き返す私に放たれた言葉は
「シャーシーね」
シャーシ?シャー・シ?シャー芯?
怒られているのは雰囲気で分かる
これ以上は聞いてならぬ
おトイレ後に他の職員に聞いてみる
”歯科部”のような言葉と”シャー芯”のような言葉を言われたんだけれど、何て意味?
「それは、”しかぶる”=お漏らししている、”しゃーし”=うるさい」
しゃーしはともかく、しかぶるは絶対分からん
他にも九州では”爪はのんで、のんだ爪はつむ”
筑前煮は”がめ煮”
絆創膏は”リバーテープ”

長崎出身のK様
いつも午後になると廊下を散歩されて、片道を40歩で歩かれ、往復80歩を30往復されている
背筋もピッしと伸ばし、少し大きめの歩幅で歩かれてハツラツとされている

入浴のお手伝いをした
そこで方言の話題になり、私の”しかぶる”話を披露した
K様「方言は難しいとね」
K様は長崎の方言の名手
私「正直、私には今も「難しいですか?」なのか「難しいです」なのかも分からないときがあります」
言葉はその場の雰囲気、話の流れで掴むものだから、その場を掴めないと本当に難しい
私「”よか、よか”この繰り返し言葉も様々な意味が含まれてくるから難しいです」
K様「”いいよ、O K”の意味もあれば、”しなくていい、NG”の意味もあるからね」
そうなんですよ、と話しながらシャンプーされているK様を見守る私
シャンプーを流す頃だろうな、とお湯を出し「流しましょうか?」とお声かけすると
K様「よか、よか」
私「・・・?、どっちですか?」
K様「よかよ」
私「流しますよ」
K様「よかね」
シャンプーを流し終わり、K様に抗議する
私「分からないって話したのに、応用問題を出すなんて、ずるいです!」
二人で大爆笑

K様は手を叩いて笑いながら「よか!!」を繰り返される
この「よか」が「良い」と言うのは絶対間違いない

K様が笑いながら続けられる
「ここ最近、一番笑った!この数年で一番かもしれん」
「よか、よか」と答える私
また二人で大笑いする

方言
他言語のようでもあるけれど、秘密の合言葉のようでもあり、お互いを近づける道具でもある



【献立表】(7月13日~7月19日)

7月13日から7月19日の献立表です。


ファイルイメージ

【スタッフつぶやき】願い事

七夕
私の実家地方では7月7日だけでなく、旧暦の七夕を行なっていた
旧暦の七夕は8月後半、関西ではお馴染みの地蔵盆と同じ頃
7月夏休み前に書いた願い事も忘れて、8月の七夕に宿題が終わりますようにと願ったこともある
今となれば懐かしい思い出

ディサービスでは七夕飾りが行われ
「愛する人ができますように」
「20歳若い恋人ができますように」
様々な想いや願いがあったと耳にした

願い事は十人十色

英語を操られるN様のお掃除に伺った
お掃除する間、N様はテレビを見られている
掃除機をかけ終わり、N様の観られているテレビの音が聞こえる
フランス語かな?と思っていたら、聞きなれない外国語、それに混じっての聞き慣れた英語
フローリングシートで床掃除しながら、テレビに目をやると外国ドラマを観ておられる
英語とフランス語だと分かりますが、もう一ヶ国語は何語ですか?伺ってみる
「ドイツ語です」
全然聞き馴染みがないですね
言葉は違えど私には”外国の人”としか区別できない人々が様々な国の言葉を話している
私の家族や友人にも日本語だけでなく、英語、さらに他の言語を操るトリリンガルがいる
今まで出会った人でいえば最高7ヶ国語を操る人を知っている
そういう人々は言語は一つの”道具”でしかなく、頭の回路や思考が凡人と何か構造が違うなと思う人が多い
N様が話される
「フランス人に”ボンジュール”や”メルシィ”って言うだけで、”フランス語を話せるんだ!”と言われるけど、違わよ、それくらいは常識の範囲、フランスの人はフランス一番といつでも思ってるんでしょうね」
わかります、私もフランス人に何か聞くときは男性に尋ねるようにしていました
「そうそう、フランス人は英語が分かっても知らんぷりするけど、男性は女性には弱いですから、それで正解ですよ」
そこからヨーロッパ系のドラマはしっかり人を描くのに、アメリカのドラマは正義と悪に納まるのは、結局、歴史の問題、やっぱり小説でも物語はヨーロッパの方が面白いなど、N様とお話しするからこその話題で盛り上がる

掃除も終えてご一緒に昼食に向かう途中
N様が思い出したように呟かれる
「私、英語だけでなく他の言葉も話せればと今でも思います」
N様の願い事を聞いた気分
”今でも”という表現にN様らしい向上心、好奇心を感じる

私の願い事は
”もっとご利用者様から楽しいお話しを聞けますように”
旧暦の七夕には欲を出して
”それを楽しいままに言葉で表現できますように”

みんなの願いが叶いますように



【スタッフつぶやき】出だしの一節

夏ははじまったばかりだけれど、あまりの暑さに脳みそも機能停止寸前

S様の入浴お手伝いに伺った
最近、夕方になるとどこからともなく太鼓の音が聞こえる
小倉祇園太鼓の太鼓の音
私たちの”祇園さん”といえば日本3大祭り、コンチキチの音色
夏祭りも今が盛りですね、祇園さんの話で盛り上がる
ところで、、、、、まだ先ですが、盆踊り、私の実家では”宮津節”で踊りますが、市内は何節で踊るんですか?
「何とか節とかないけど、北島三郎の歌とかその時の流行や全国の音頭で踊ってたわ」
古都では全国から人々が集まるから、地元のこれっていうのではなく、全国いろいろなんですね、やっぱり、と納得する
そういえば九州、小倉は有名な炭鉱節ですよね
炭坑節を歌おうとする
けれど、出てこない
節が出てこない
お月さんが煙たいとか、どうとかって歌詞ですよね
「そうそう、煙突が高いんよ」
歌詞の内容は出てくるのに、二人して節が出てこない
血圧を測り、着替えを準備しても、節が出てこない
もどかしさMAX

S様のお隣A様のお部屋で掃除サービスが行われている
担当は北九州生まれ、北九州育ちの職員Kさん
めっちゃ地元のKさんなら分かるだろうと
「炭坑節の出出しどんなだった?」
と聞きに行く
Kさん「私全然知らないんです」
嘘やろ?!盆踊りしたことない?!
Aさんなら知っておられるはずと探すと、おトイレ中とのこと
とりあえず、S様のお部屋に戻る
私「Kさん炭坑節知らんって、盆踊りもしたことないらしいです!若い子は盆に踊らへんらしいですよ」
S様「そんなはずないやろ、(あなたに)教えたくなくないんちゃうの」
私「それはあり得ます、そうなんかもしれん」
二人で掛け合い漫才をしていると、隣の部屋からKさんが
Kさん「私の悪口言ってるでしょう」
私・S様「悪口やったらもっと小声で言うやんな」
3人で笑う

笑っても、3人揃っても、文殊の知恵とならず、やっぱり節が出てこない

諦めてお風呂に行きましょうか、と部屋を出たところでA様が出てこられた
A様「どうしたの」
私「炭坑節が出てこなくて」
A様「月がぁ、出たぁ、出たぁ、月がぁ、出たぁ、よいよい」

S様と私、顔を見合わせて
そうそう!!それだ!!
A様の歌に合わせて、掘って、掘って、また掘って、担いで担いで、と踊ってみる
踊り出すくらいのスッキリ感
歓喜の舞
Kさんにこれが炭鉱節やで、ドヤ顔で歌って踊って見せる
これぞ踊る阿呆
それを一緒に歌って見てくれるA様、S様

夏の暑さを吹き飛ばすにはこれくらいでも足りません



【スタッフつぶやき】才能

才能があるか・ないかは自分が認めるよりも周囲の人が認めてくれるかどうか
そうは思っても、人に褒められても、どうも自分の才能というのは信じられないから厄介である
いわゆる、私には「文才」なるものがあるらしい
解せない
解せないのは、人は皆んな何かしらの文章を書くことが誰だってできる訳で、人それぞれの表現がありそれを選び文字にすれば、皆んな個性のある文章になるはずと思っている

何だかんだ長々と出だしからウジウジ書いたのは、ブログ(日記)を書いていることを告白したM様に印刷した物を渡したから

絶対に怒らないでくださいね!と念には念を押して、印刷物をお渡しして逃げるようにM様の部屋を後にした
その翌日
M様と同じ階のご利用者様の起床介助に伺った
そして、その方とエレベーターを待っているとM様が「おはよう」といらっしゃった
笑顔である
おはようございます、と少々ビビりながらご挨拶する
早々にエレベーターが来て、3人で乗り込む

私「読まれましたか?」
恐る恐る伺ってみる
M様「読んだわよ」
まだ笑顔
M様「あなた、文才があるわよ」
私「あああ、ありがとうございます」
自覚するほど動揺している私

M様「文章を書くのはお好きですか?」

M様が丁寧語で聞かれる
これは、本当に誉められている

正直、関西人なので誉められても普段なら冗談半分で
「私、才能のカタマリなので」
と受け流すことは多々あれど、真正面から本気で褒められるとリングコーナーに追い込まれたボクサーの如く、その褒め言葉に打ちのめされないよう必死にあがくしかない

この日はM様の言葉に返す言葉も見つからず、しどろもどろでエレベーターが着き終わった

日を改めて、今日
M様のお部屋掃除に伺った
ご挨拶も早々に再度M様に聞く
私「本当に(勝手に記事にして)怒っておられませんか?」
M様「怒ってない」
怒ってないか何度も聞くことに怒られそう
M様「怒られるようなことを書いてるの?」
私「そんなことはないつもりでも、文章というのはあくまでも私の主観で、出来事のごく一部を抜粋して書くので、読む人によっては自分の意図しない感想を抱かれる可能性もあるから怖いんです」
M様も納得される
私「それに、文章にするか・しないかの違いだけで、皆んな文才はあるはずと思ってます」
M様「誰でもできるようで、できないものよ」

あらためてM様に答える
「文章を書くことは好きですが、書くことは怖いことだとも知っています」

そこでM様に問い返す
「そんな私がM様のことを今後も書いてもいいですか?」

M様のスッキリとした笑顔と声で
「いいわよ!」

ありがとうざいます!!
さっそく文章に記してみました
私に才能なるものがあり、それで誰か喜んでいただけるならば、これ以上の幸せはない
才能伸び放題



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