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【朗読会】モナトリエ
- 2024-10-23 (水)
朗読に耳を澄まし
抑揚や声色の変化に想像を広げ
朝夕にわずかながら、秋の訪れを感じる頃、モナトリエ初となる朗読会を開催いたしました。お招きしたのは、中嶋かつ子さんです。
「日中はまだ暑いので、涼しくなるようなお話を」と、最初のお話しは『雪女』。複数ある民話のバリエーションの中から、中嶋さんが選んだのは、切なさが胸に迫るもの。ナレーション、きこり、雪女、後にきこりの妻となるお雪へと自在に変わる声色。目を閉じたり身を乗り出したり、どんどん話に引き込まれていき、お雪の正体があの時の雪女だと分かり、はかなく姿を消していく結末には、静かな拍手が送られます。
朗読の世界観をつくり出すのに一役買っているのが、中嶋さんがまとう和モダンスタイルの衣装です。スタンドカラーのブラウスに透け感のある道行コートを羽織り、華やかなスカートを合わせます。会場から「とっても、いいですよ」「おしゃれ」の声がかかります。続いては短編2つ。東京の地下鉄での心温まるお話しには穏やかな拍手が、地球をテーマに人間への風刺が効いたお話しには、笑い声も上がります。
後半に向け配られた用紙は、「歌舞伎の演目『外郎売』の講談のシーンで出てくる言葉です。早口言葉の練習になりますよ」と中嶋さん。「書写山の社僧正」「古栗の木の古切口」など5つのせりふを、皆様で練習します。ひと通り練習したところで、客席の通路を進みながら中嶋さんが語る『外郎売』の始まりです。全てが早口言葉のような軽快なテンポ。5分を超える暗記力と滑舌の良さに、「日本一!!」の声がかかります。
お開きに流れたのは、『ハイサイおじさん』。朗読のために鍛えた美声が、明るく会場に響き渡ります。読書好きの方からは、「話し方がすごく生き生きしていて、引き込まれました」とご感想が。また『外郎売』に登場する「書写山」について、ご質問される方もいらっしゃるなど、今回もお楽しみいただけました。
創作朗読家 中嶋かつ子さん
今回は初回のため、既存の名作や短編などを披露。日頃は自身の創作物を中心に、ギターやピアノ等の生演奏とコラボした朗読ライブを居酒屋やライブハウス等で行い、異色の朗読パフォーマーと呼ばれている。朗読歴は10年以上で、構成、脚本、演出、MCまで務める。近年特に人気の演目は、若松区に眠る駆逐艦の史実を基にしたオリジナル脚本「凉月、イズコ…」。ラジオFM KITAQ 「日曜1時の語り場Plus」で、パーソナリティーとしても活躍。
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