住宅型有料老人ホーム「モナトリエ」スタッフBlog

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【スタッフつぶやき】趣味発見

以前も書いたけれど趣味とは意外と難しい
自分ではただ好きなだけと思っていても、周囲からは趣味と思われていたり、苦手だから一生懸命頑張っていたら好きに変わり、趣味になることもある
趣味とは自然としてしまうもの
自然と自分が好きなこと、継続することなのかも知れない

K様はとても穏やかな方で、柔らかな笑顔とうふふっと手を添えて笑われる姿が品がいい
昨年の初夏、お部屋に伺うといつもの大きな椅子に座られているK様
膝の上に何か抱えておられ、少し途方に暮れられている
猫かな?でも、猫のはずがないか、と思いつつ見直すとK様の膝の上には立派な”夏みかん”
どうされたんですか?と伺うと
「娘が庭になってたからと持って来てくれたけど、酸っぱいの」
どうしましょ、といった顔で困られている
困られているのも可愛らしい
K様はお料理上手だったでしょうね、と夏みかんレシピのお話をした
K様にとってお料理は得意であって趣味ではないですよね、じゃあ趣味は?
伺うと
「私は何も趣味がないのよ、本当に」
お掃除中ずっとK様の趣味を探してみるけれど見つからず

この1年間、K様のサービスがある度に”趣味”に繋がりそうなお話を探してみる
ご主人と一緒に楽しまれたことはありませんか?と伺うと
「主人がヨウ曲の先生に習っていて、家に来られたから一緒に習ってましたね」
と仰るので、フランク・シナトラとか?My Wayとか歌われていたんですか?
お風呂で歌ってみるけれど「?」な顔のK様
ヨウ曲
私=洋曲
K様=謡曲
謡曲、それは能楽の謡(うたい)
私の洋曲とは対極の謡曲
うっひゃーっと思いつつK様に一節所望するけれど
「私が好きなわけじゃなかったから、忘れちゃった」
うふふっ私の好きなK様の笑い方ではぐらかされる

別の日は
「主人は旅行も好きでしたね」
とのヒントをもらったので、趣味発見ですね!と言うと
「私はいつも荷物持ちで大変だった」
昭和の男性は世界どこでも亭主関白
旅行はK様の趣味ではありませんね

なかなかK様の趣味を見つけられずに、2025初夏

お風呂のお声掛けにK様のお部屋に伺う
お風呂をご一緒します
お声掛けすると
「もうそんな時間?!ボーっとしてて」
今日もうふふっと手を添えて笑われている
「何もしたくないの、ボーっとしてるの」
そう話されるK様を見ていて閃いた

「K様、K様の趣味はボーッとされることでいいんじゃないですか」

K様が”あらまあ!”と言う驚きの表情とともに
「本当ね、私の趣味が見つかった」
褒め言葉と最高の笑顔を頂戴した

趣味の世界は広く深い



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