住宅型有料老人ホーム「モナトリエ」スタッフBlog

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【スタッフつぶやき】褒める視点

3月4日なので

W様は数学の才女、どれほどかというと
戦前に存在した女子の最高教育機関、今で言う国立大学は2つしか存在しなかったのはご存知だろうか?
1つは東京にあり、現在のお茶の水大学、旧:東京女子高等師範学校
そしてもう1つがW様が学ばれた現在の奈良女子大学、旧:奈良女子高等師範学校
今であれば女性が大学に進学するのも普通の時代、しかし、80年近く前になると男性でも大学まで進学する人はごく僅かな時代
更にW様は学友が20人ほどの数学科の出と言うから、現代に明治生まれの方がご存命であるくらい貴重な方
大学受験に全力で臨み、数学に完膚なきまでに敗れた身として、W様は尊く、最初この話を伺った時には3秒間固まって手を合わせたくなったほどなのに、当のW様は
「数学しかできなかったからね、それに数学は答えが1つしかないんだから、簡単なのよ」
と飄々を仰る

そんなW様、私が入社して1ヶ月経った頃にお掃除に伺い、仰った
「あなた、朝、この近くにいらっしゃらなかった?」
思い出せばW様のお隣のお部屋にお掃除に伺っていた
お隣のお部屋にお掃除に来ていました、と答えると
「あなたの声はとても通る声で、羨ましいわ」
W様の声は女性としては低音で、W様の落ち着いた人柄や口調と調和されていて、素敵だけれど、当のW様は
「私の声はおじさんみたいで嫌なのよ」
そうですか?私はW様の声、とても好きです、と続けると
「学校で教えているとき、いくら大きな声を出しても教室の後ろまで届かなくて、困ったのよ」
と答えられる
私なんかは、自分では小さな声で喋っているつもりでも、いつも”うるさい”って怒られていました
と話すと
「あなたの声はいい声なんだから、気にせず、どんどんお喋りして」
と仰られた

そんなW様の褒め言葉が嬉しくてW様とご一緒したときは、先生時代のお話しや、ご家族のお話し、奈良女子大学時代のお話しをしていただき、私はその倍、自分の話をして、その都度
「あなたは声もお喋りも本当にお上手だわ」
と褒めてもらっていた

W様とのお話の中で一番印象的なのは、先生をされていた頃W様が心掛けられていた
「人には必ず人から褒められるモノを持っているはずだから、それを見つけて、ちゃんと褒めるの」
という言葉
言うは易く、行うは難し
それをサラリと実践されてるW様

W様、お元気になられ戻って来てくださいね
遅くなりますが、Happy BirthdayをW様の褒めていただいた声で歌わせていただきます



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