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つぶやき

【スタッフつぶやき】矍鑠(カクシャク)

知的な男性、K様は矍鑠とされた方
いつも穏やかに話され、訪室すると数独を解き、FMラジオの音楽を愉しんでおられた
数独レベルは超難関
ヒントはごく僅かな数字で、根気のない私は1問目で放り出したくなる、夏休みの宿題のよう
根気よく解かれるK様はすごいですね!と言うと
「数字は特に勉強しなくても昔から得意だったから」
と穏やかな笑みとともに答えていただく
真面目な方だな、と思っていたら学生時代は勉強そっちのけで今の若い人たちと変わらない自由を楽しんでおられたお話を伺い、意外な面も
高身長で、この優しさのK様ならきっと人目を引いただろうな、人気があっただろうな

K様と入浴のお手伝いをご一緒して一番伺ったのはご家族のお話
娘様たち、お孫さんたち、みなさん、K様自慢のご家族
K様のお部屋に飾られているお孫さんの赤ちゃんの頃のお写真が2枚
以前、お一人のお孫さんにお会いする機会があり「あのお孫さんの写真ですか?」と聞くと
「どちらかはそうなんだけれど、僕にも分からなくて」
エヘヘっと笑われる笑顔が忘れられない

毎朝、髭を丁寧に剃られ、お手伝いすると心から
「ありがとう、気持ちよくなりました」
と言っていただいた
K様に喜んでいただきたくて、褒めて欲しくて、一番時間をかけたK様の髭剃り

最後まで私たち職員に「すみません、ありがとう」と丁寧な言葉を掛けていただいたK様

K様、ありがとうは私たちの言葉です
いつも私たちのことを労っていただき、ありがとうございました
記憶し続ける、思い出に溢れた日々をありがとうございます




【スタッフつぶやき】回復薬

少し前、元気印のU様ご夫婦が夫婦揃って体調を崩されていた

ご主人のY様は特に体調が悪く、普段は滅多に押されないナースコールを押される
お部屋に伺うと
「身体がだるい」
言われれるけれど、薬を飲み、水分を摂って、食事を食べて、寝て、体力を取り戻してもらうしか手立てがない
食事もお部屋にお持ちするけれど、Y様は起き上がる気力もないご様子で、下膳に伺ってもやはりほとんど食べられていない
お断りして冷蔵庫を見る
奥様のC様のお好きなジュースが1本と梅干しや佃煮などしかない
Y様の了承を得て、爽健美茶とアクエリアスを補充させていただく

幾分お元気そうなC様の洋服の着替えなどをお手伝いしながら話す
私「体調が悪いときこそ、せっかくご入居いただいたんだから、お世話させて下さいよ」
C様「ありがとうね、私はこれだから」
手を頭のあたりに上げてクルクルと回し、パーとされる
私「パーを出されるなら、私はチョキを出すし、パーで勝負されるなら私も負けずにパーですよ」
C様と冗談を言い合う
C様が「あなた面白いね、ありがとうね!」
と更に元気になられている
それを見て、さっきまで辛そうだったY様も
「ばあさんがそれだけ元気なら、大丈夫だ」
と笑われている
Y様に「何か飲みますか?」と聞くと「お茶もらおうかな」とペットボトル半分ほど一気に飲まれる

ああ、大丈夫だなと思えた瞬間

3人で笑ったら元気が出てきた
病は気からではないけれど、”笑う元気がある”と言うのは一つの目安
笑うから元気にもなる

無事、U様ご夫婦は元気に回復されました




【スタッフつぶやき】夢

M様の寝る準備に伺った
準備をしながら、私がその日の朝見た夢の話をした

夢の中で私は上司へメールで”仕事を辞めます”と送る

”辞めます”と言う言葉でM様がビックリされて聞かれる
M様「辞めるの?」
私「イヤイヤ、夢の話ですよ」
M様「それで?」

メールを送った後でその日の仕事に行きたくなり、先輩職員さんへ相談し
「どないしよう!!」
と寝言で叫び目が覚めた

M様「夢は本心が出るのかもしれない、あなた、辞めたいの?」

M様の目を見て答える
私「辞めたいとは思いません、ただ、サボりたい、楽して稼ぎたいとは常々思っています」

二人で笑う

M様「お仕事大変ですもんね」
私「でも、M様のお手伝いは私からすれば楽勝です」
M様「本当?でも、大変よ」
私「ほら、喋ってたら、もう終わり、楽勝です」
M様「本当ね」
私「サボりたくなったらM様のお部屋に伺います」

またまた二人で笑う

”辞める”と言う言葉にビックリし寂しそうな顔をしてくれたM様
ビックリさせたけれど、M様のあの表情が嬉しかった
悪い夢で目が覚めたけれど、夜はM様と笑って終る
だから辞めませんよ



【スタッフつぶやき】100本目

2024年春にご縁あってモナトリエで働き始めた
入社の際、職務履歴書に書いた
「繋がる、繋げられる人として働きたい」
その一環として、2024年7月からブログ担当して記事を書き始めた

入社した数ヶ月、一番大変だったのはご利用者様のお名前と顔を覚えることだった
朝食や昼食、配膳に回らなくてはいけないのに、「この方は一体どこの席の方?」とお盆を抱えて呆然と立ち尽くした
お掃除のサービスでも何階のどのお部屋なのか分からず、あっちこっちをウロウロしたこともあった
「初めまして」とご挨拶すると「前もご挨拶していただいたわよ」と言われることもあった
ブログの記事もこの頃のものは、ご利用者様との距離間もまだ分からず、どこまで書いていいのか悩んでいた
だから文章も今より小さく収まっている
今なら”もっとこの方のこの部分を書けたはず”と思う部分もあるけれど、これはこの時の私の精一杯だった

入社して半年も経てば「ベテランですね」と言われるほど仕事にも慣れ、ご利用者様たちに認められる職員になれた気がしてきた
ご利用者様との距離も近くなり、ご利用者様それぞれを知るようになった
だから私の書く内容も個人的な会話が多くなり、表現も多様になってきた

驚くほどあっと言う間に1年が経ち、ご利用者様がお客様であり友人であり、先輩であり、仲間であり家族のような人たちになった
私の知るご利用者様を知って欲しいと思うようになり、自分の書く表現にも悩むようにもなった
私は「私が読みたいことを書く」を基本においている
自分が読み返して面白いこと、振り返ったとき書いてよかったと思うことを書きたいと思っている
けれど、本当にそれでいいのか?
正直、私は一部のご利用者様のことしか書けず、自分の視点しか持ち合わせていない
悩んでいたころ、「ご家族がブログの話をされていた」という話を耳にするようになった
怒られやしないか、、、とてもビクビクしたけれど、皆さん怒るどころか喜んでいただいた
こんな私の文でも書いてもいいのかな、と思えるようになった

ブログを書くことで
更新の度に教えて欲しいと言ってくれる同僚たちと繋がることができた
勤務時間が違ったり、忙しくて職場では話す時間がない同僚たちと、ブログをきっかけに連絡を取れる、繋がれることが私の支えになった
同僚たちが「今回は誰々さんのことですね!」や「初めて知った!」と言った感想が嬉しくて、次もまた書こう!というモチベーションに繋がった

今回、この記事で100本目
ブログを書き始めて1年と1ヶ月で100本
書き始めたときから周囲の人たちに言われた
「書くの大変じゃない?」
”大変”には”ネタがあるの?”が含まれているけれど、ネタは日々働いていれば絶対に1日1個はあるもので、毎日でも書こうと思えば書ける
それくらい、ご利用者様たちと接することは楽しいことに満ちている
ネタを職員まで求めれば、同僚たちは個性に溢れている
どれだけ多忙で、どれだけ疲れていても、振り返れば楽しいことが起きている
忘れたくない人たちがいて、書き残したい出来事がある

100という数字は一つの節目でしかない
変わらず、私のできる限りで繋がり続けていきたい


【スタッフつぶやき】あの人を思い出す

「残された僕たちにできることは、先に行ってしまった親しい人を記憶し続けることだけ」
以前読んだ本の中にあった一文で、手帳に記し、今でも思い出す言葉

K様のお掃除に伺った
以前はご主人であるT様と入居されていた
ご一緒のときには尋ねにくかった、出会われたきっかけなどを奥様のM様に伺った
「勤めていた職場にT君が異動してきて、私が飲みに行くって同僚や友だちの話をしていたら”いいな〜”って言ってくるから”じゃあ、おいでよ”って声を掛けてあげたの」
T様がそんなかわいらしい言い方で言えば、女性はM様のように”じゃあ”って言ってしまうだろうな、M様は面倒見よく何気なく言われたんだろうな、色いろ想像して二人で盛り上がって掃除が終わった
お掃除終わりにM様がT様が送られたメールを読ませてくれた
「のろけてはるわぁ」
笑いながら、二人で涙する
きっとM様も近くにおられ、きっと照れ笑いされているはず

I様の入浴のお手伝いに伺った
I様は大のおしゃべり好き
私もI様とのおしゃべりが大好きで、I様のサービスに伺うと時間ギリギリまでおしゃべりに大輪の花が咲いてしまう
I様は大阪・河内長野生まれA様と大の仲良し
I様はA様より歳下で、A様をモナトリエにご入居されて出会われた友人として、何より尊敬できる女性としてみられていた
「Aさんはあのお歳でいつもシャンとされていて、気品もあるけどシャレも分かる方で、何より人としての器が私とは全然違った。私はAさんと親しくさせていただけたことが、とても誇らしいのよ」
I様とA様はとても気が合った、それは私たち職員の目から見てもよく分かった
特にI様はA様を女学生が憧れの上級生を見るような気持ちで見ておられた
私もA様との思い出を話す
ある日、私が今日と同じA様のお部屋の前にあるお風呂掃除をしていたら、A様がお部屋の扉を開けられて
「あなた、お掃除が終わったらお部屋に寄ってちょうだい」
と言われた
なんだろう?と思いつつ、言われた通りA様のお部屋に伺うと
「これが懐かしいやろと思って、食べて」
それは、I様がご家族と神戸を旅行されたとき、A様にお土産に買って来られた”炭酸せんべい”
関西人なら誰も知る”炭酸せんべい”、懐かしの味
あの日も暑くて、口の中がパサパサになりながら、A様と一緒に食べた懐かしい味
I様が思い出される
「そうそう、Aさんにお土産に買って帰ったわ、あなたも食べてくれたのね」
また二人であの頃を思い出す
お風呂を出て、そのお部屋を眺める
I様と何も言わずお互い肩に手をやり、笑い合う

語り合える人たちがいて、語りたい人たちがいる
忘れられない、記憶し続ける思い出に溢れている




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