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【ピアノコンサート】モナトリエ

  • 2023-07-21 (金)

ショパンの多彩な魅力を、
エピソードとともに楽しむ。

 梅雨の晴れ間が見え隠れする、6月下旬の昼下がり。この日は、ピアノ愛好家の村上和正さんの演奏会です。早めに会場入りされた方々からは、「ピアノは、大好き」「楽しみにして来ました」と期待の声が聞こえ、「手元を見るなら、ここかな」とお席選びにも余念がありません。
 村上さんは、中学生の頃、ショパンの曲に出会ったことをきっかけにピアノを独学で始め、長年趣味で続けてきたとのこと。「拙い演奏ですけれども、よろしくお願いいたします」とのご挨拶に、開演前の温かなお迎えの演奏をお聞きになっていた皆様からは、大きな拍手が上がり、オールショパンプログラムの始まりです。
 まずは、『ノクターン9-1』『小犬のワルツ64-1』『ワルツ64-2』。タイトル紹介に深くうなずいたり、目を閉じて静かに聞き入ったり、体でリズムを取ったりと、思い思いに楽しまれていると、いつの間にか外は雨。続いての曲は、『雨だれのプレリュード』。作曲の際、ショパンは肺結核の静養のため恋人とマジョルカ島を訪れていたことや、雨音をイメージさせる曲中の技法などを知り演奏を聴くと、感慨もひとしおです。
ピアノの詩人と呼ばれたショパン。短くも宝石のような輝きを持つ名曲の中から、『牧童のエチュード』『幻想即興曲』等が次々と披露されます。曲の合間では、ショパンがどのような演奏会やレッスンをしていたのかというエピソードや、本人の遺言では世に出さないでくれとされていた曲が死後に発表されたことで、弾いたり聴いたりする機会に出会えた喜びを語る村上さん。会場の皆様は、一心に演奏の手元を見つめ続けます。
お開きの曲は、ショパンの中でも特に有名な、『ノクターン 9-2』。「指の動きに魅せられました」「すごいですね。静かでよい曲でした」「母とよく聴いた曲だから、懐かしかった」と、涙を流す方もおられ、今回も大切なひとときとなりました。


ピアノ愛好家 村上和正さん
子どもの頃から音楽好きで、合唱団に所属。中2でショパンの曲に出会い、独学でピアノを始める。2019年からは、直方市内で楽器演奏ができる店舗等をSNS等で紹介する活動、「のおがた音のとおりまち」をスタート。店舗紹介のための演奏会を開催し、自身もピアノ演奏に参加。直方市を拠点に、商店街やイベントでの演奏活動にも力を入れる。子どもの頃から絵も好きで、高校まで美術部所属。大学からはCGに興味を持ち、現在はCGデザインのフリーランス。


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