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【スタッフつぶやき】思い出を思い出す
- 2025-01-07 (火)
- つぶやき
忘れ物に気がつくのは、それが必要となった瞬間が多い
全然関係ないことから、突然思い出すこともある
誰かと話していて、自分でもすっかり忘れていたことを思い出すこともある
H様の入浴サービス中
私の実家は超ド級の田舎で苗字だけで、住んでいる地域を特定できる
特定できるということは、その周辺に住んでいる人々は親戚であるということで、都会の人々には前世紀の話に思えるような、”分家”や”本家”が歴然と存在し、ラスボスのように”総本家”なるものが現存する
東京生まれ、東京育ちの義兄が初めて我が家に結婚の挨拶に来た際に両親の兄弟姉妹、いわゆる「親戚」だけでなく、本家や総本家などにも挨拶に行き
「俺は一体今誰に会っているんだ」
と田舎の洗礼を受け、姉との結婚を後悔したという話をしていた
最初はいつものH様で「すごいわね!!」と豪快に笑っていただいていた
義兄の話になったとき、H様が少し遠くを見るような表情になりポツリ話された
H様のご主人は福岡生まれ福岡育ちだけれど、もとを辿れば東北地方の田舎で、ご結婚されたとき本家にも挨拶にと、若嫁であるH様も東北にご一緒されたそう
その田舎が私が話た田舎と一緒で次から次に人が来られるけど、紹介されても一体誰なのか分からず、ただただ挨拶するだけで精一杯だった
「田舎ってすごいわよね」
私は私でH様が結婚された頃だと東北までどうやって行かれたんですか?!
何時間かかったんですか?!
と聞きたいことが盛りだくさん
お風呂が終わり、お部屋に帰る廊下でH様が
「私、あなたと今日話すまで、東北に行ったことを忘れていたし、誰にも話たことがなかったわ」
と仰り
「主人との思い出を思い出せてよかった」
と仰られた
忘れ物は忘れたままになることもあるけれど、見つけられることもある
思い出も思い出せないこともあるけれど、思い出せると輝きが増す
H様にも私にも忘れられない思い出になった
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