住宅型有料老人ホーム「モナトリエ」スタッフBlog
【ピアノ演奏会】
- 2024-02-22 (木)
歴史に寄り添い紡がれる
情感豊かなピアノを楽しむ。
新年の幕開けを飾る演奏会にお迎えしたのは、世界を舞台にご活躍されているピアニスト水上裕子さんです。「皆様、こんにちは。お好きかなぁと思う曲を、いろいろ弾いていきますね。多分この曲はご存じではないでしょうか?」とフランクな雰囲気で始まったのは、『モルダウ』。とても静かな旋律が徐々にダイナミックに変わり、情景や曲の背景が浮かぶ演奏に早くも魅了されます。
「私は、モスクワでピアノの勉強をしました」と、ロシア民謡の『カチューシャ』『黒い瞳』が奏でられると会場からは手拍子が聞こえてきます。「こんな曲も演奏しましょうか」と『青い山脈』が流れると、手拍子はもちろん歌声もちらほらと。間奏からメドレーのように『リンゴの唄』に変わると歌声も増え、演奏はそのまま『憧れのハワイ航路』へとつながり手拍子も拍手もどんどん大きくなります。「よく海外公演をしますが、ハワイではこの曲に皆さん涙を流されました」というのは『炭坑節』と『東京音頭』。説明や練習がなくても、皆様の見事な合いの手が入ります。
一度聴いた曲はなんでも弾けるという水上さん。おしゃべりと演奏がテンポよく続く中、リクエストも募り、『故郷』『蘇州夜曲』を披露。満州には特に思い入れがあり、日本人が入植した地域は20年かけてすべて回り、22年には日中国交正常化50周年記念イベントに招かれ演奏されたそうです。満州から帰国できなかった方々が、天空を自由に行き来できることを願い作られたオリジナル曲『天空的彼岸』。軽やかに天翔るイメージに、皆様静かに聴き入ります。
お開きは、年明けにふさわしい『祝いめでた』、そしてアンコールの『若者たち』まで、この日の演奏は全18曲。「懐かしい曲がいっぱい出てきたわ」「知ってる曲が多かったから思わず歌ったの」「この方お上手」「気分が良くて舞い上がりたいぐらい」と、今回もお楽しみいただけました。
ピアニスト 水上裕子(みなかみひろこ)さん
福岡県出身。武蔵野音楽大学卒業後、オーストラリアのメルボルンでデビュー。その後留学先のモスクワ音楽院にてクーデターに遭遇し、やむなくルーマニアへ。22年の日中国交正常化50周年記念イベントでの演奏は、中国の国営テレビで中国全土に放映。アメリカ、ヨーロッパ、アジア各国でもコンサートは毎回スタンディングオベーションの熱気に包まれる。認知症対応施設で音楽セラピーを約20年続ける他、北陸国際音楽祭音楽監督も務める。今年でデビュー35周年。
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