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【夕暮れコンサート】モナトリエ

  • 2020-11-23 (月)

久々のコンサートが、素敵な音色と
優雅なひとときを運んでくれました。


3階のエレベーターが開いた途端、この日を心待ちにされていた皆様の大きな拍手が上がります。11月初旬の夕暮れコンサートにお招きしたのは、「ブラームス国際コンクールヴァイオリン部門」で日本人初の優勝を果たした中村太地さんです。コロナ感染予防の影響で、ウィーンに戻れず地元・北九州市に滞在していた中村さんと、感染予防に取り組みながら少しずつイベント再開を検討していたモナトリエに、奇跡的な巡り合わせがあり演奏会が実現いたしました。
まずは、音楽の父と言われるバッハの『無伴奏パルティータ』から2曲。手を合わせて目を閉じ、頷きながら聴き入る方、体でリズムを取る方など、全身で音楽を感じられているご様子です。マスネ『タイスの瞑想曲』が始まると、高音の伸びやかな耳馴染みのあるメロディーに、「あぁ!!」と頷きハミングをされたり、手を波のようにうねらせリズムを取ったり。
この日のヴァイオリンは、1738年製。あのストラディバリウスよりも希少価値があるとされるグアルネリ・デル・ジェスというもの。昔、所有していた貴族の名前にちなみ愛称は「ソフィー・ハース」。よく見えるよう中村さんがヴァイオリンを掲げると、またもや大きな拍手が上がります。


続いては、ヴァイオリン演奏のあらゆるテクニックが織り込まれ、超絶技巧とも呼ばれる、パガニーニの『カプリース』から数曲。見逃しや聞き逃しのないよう、皆さん前のめり気味で、拍手はますます大きくなります。アンコールは、この日の前日、若くして亡くなった中村さんの友人チェリストに捧げる、エルガー作曲『愛の挨拶』。
お開きの後、「素晴らしかった」「息を凝らして見ていました」「うれしくて涙が出ました」と中村さんに思いを伝える方々も。久々に生演奏をご堪能いただけたひとときとなりました。


ヴァイオリン 中村太地(なかむら だいち)さん
1990年、北九州市生まれ。3歳よりヴァイオリンを始め、9歳で九州交響楽団と共演。小倉高校卒業後、ウィーンに渡り、権威ある国際コンクールにて多数の入賞・受賞、国内外のオーケストラやソリストとの共演など、ヨーロッパと日本を中心に活躍する中、2017年ブラームス国際コンクールヴァイオリン部門で日本人初の優勝を果たす。2019年7月ビクターエンタテイメントより、デビューアルバム「オールブラームス全集」をリリース。将来の目標は、ヨーロッパではコンサートマスター、日本では子どもたちのための上質な音楽祭を開くこと。

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