【スタッフつぶやき】一歩一歩

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H様は人柄も口調もとても朗らかで丁寧な方

私とは違い、大きな声で騒いだり、エレベーターの短い時間でも面白い話がないか喋り続けられることもない

でも、朝食後、H様をお送りすること半年、短い時間ながらお互いの話をする仲になってきた

ある日、H様に伺った

「なぜ、ここ、モナトリエを選ばれたんですか?」

その頃、私は私の親族の介護について考えていた

他の姉弟の近くか、それとも私のいる九州か

H様と私の2人、いつもの朝食後のエレベーターで伺った

「小倉の施設だったら、共通の知っていること、懐かしいことがお話しできると思って、知り合いがいなくても、共通の話題ができる方がきっといると思ったの」

目から鱗が落ちた

そうだ、私は私の利点、不利な点のみを考え、本人の気持ち、そこで暮らすその後の日々という観点が欠けていることに気づいた

H様にそれを伝えると

「大層なことじゃないのに、そんなに言ってもらって、ありがとう」

H様との距離が近づいた出来事

別の日、H様とご一緒して趣味の話をする

「ご利用者様の趣味で多いのは読書と編み物だと思います」

H様が言われる

「老後、時間ができたら編み物でもしよう、時間があればできるかと思っていたの」

編み物は根気が必要ですもんね、と答えると

「時間ができても、全然する気が起きなくてね」

「よくあることですね」

「20年くらい前にお友だちにもらった編み物のモチーフがあるんだけど、ここ(モナトリエ)に来て時間ができれば繋いで膝掛けにでもしようと思ってたけど、冬になっても全然できてないのよ」

H様の特有の朗らかな声で笑われている

私はといえば「よくあることですね」で終わる話かと思っていたら、H様の出してこられた

「20年持っている編み物のモチーフ、しかも完成させようと思われている」

予想を超える”オチ”に声を上げて笑ってしまった

「物持ち、すご過ぎます!」

2人で朝から大笑いする

「編み物が得意な方が多いから、その方々に相談されるのがいいかもしれませんね」

と話し

「そうなの、もうお願いしちゃおうかなって思って」

完成した際にはぜひ見せてもらう約束をして、おいとまする

「職員さんたちはすぐに私の名前も覚えてくれるけど、私は全然覚えられないのよ」

「職員はマスクをしていますし、ご一緒する時間も短く、常に同じ職員が来るわけではないから仕方ないですよ」

「名前はね、覚えられないけど、あなたは分かるのよ」

H様に存在を認めてもらえている、じゅうぶん嬉しい

人と人の距離はすぐには縮まらないけれど、短い時間でも日々積み重ねることで築ける関係がある

元気で働き続けよう