【スタッフつぶやき】春到来

執筆者:

カテゴリ:

”ほぼ親戚”のご主人K様のお掃除に伺った

K様はお若い頃はバリバリ仕事をされていたであろうことが容易に想像できる方で、とてもきっちりとされている

私は仕事をしっかりしてきた方に、私の仕事を認めてもらえることを一つの自信としていて、認めて欲しいお一人がK様だったりする

K様は徳島県のご出身で関西方面の言葉のイントネーションが心地いい

掃除機をかけ、フローリングシートでお掃除しながら、K様のお好きな野球の話をする

「WBCも終わって、僕も終わり」

「どういう意味ですか、春の高校野球は今日から始まって、プロ野球は開幕もしてませんよ」

「あなたには、かなわんわ」

二人で笑う

なぜ、それを聞こうと思ったのか、今となれば自分でも不思議な質問をK様にしてみる

「K様は子どもの頃、何になりたかったんですか?」

朝は降っていた雨がいつの間にか止み、窓から春の日が入っている

K様が答えられる

「僕は子どもの頃、何にでもなれる、自分だったらなんでもできると思ってた」

スポーツも勉強もできたであろうK様なら、そう思われても不思議はない

K様が続けられる

「子どもの頃は運動神経が本当に良くて、先生にみんなにお手本を見せてやれって跳び箱を飛んだりしてた、家の近くには吉野川があってよぉ飛び込んで遊んでたもんや」

「わかります、すぐに想像できます」

相槌を打つとK様がさらに続けて話てくれる

「僕は兄弟の中でも父親に特にかわいがってもらって、父親と吉野川に鮎釣りによく行ってたんよ、吉野川の鮎がよう釣れて、美味しくて」

すごく優しい笑顔でお父様との思い出を話されるK様

K様のその姿と言葉を聞いていたら、私はとても貴重な瞬間を過ごしていると気づき、感動が込み上げてきた

「感動しました」と素直に言えばいいのかもしれないけど、単純な言葉で表現してはもったいなく、陳腐になってしまいそうで、K様に特に言葉にせず目を見て頷いた

才のある人はこういうとき、詩を作り出したり、芸術に昇華できるのだろうけれど、凡人の私にできることはここに記し、記録に残すことだけ

春がきた

いい春になる

もうなった